大会長あいさつ(第19回)

第19回沖縄県理学療法学術大会
大会長 兼島 広樹

 平成30年における医療・介護保険の同時改定では、早い段階で厳しい予算の話が各所より出てきています。消費税を10%とし、その一部を医療・介護財源とする予定であったのが、経済状況にて先送りとなった事が大きな要因とされています。財源が無いから国民全体で応分の負担をとの流れです。北朝鮮問題、中国尖閣問題等、日本安全保障における状況が不安定な事も、影響している事でしょう。このような社会情勢の中での改定ですから、抜本的な見直しと継続していくものをハッキリと分けていくのが今回の改定だと言われています。厚生労働省としても、社会情勢を盾に厳しい改定を示す機会と捉えているのが予測されます。

地域包括ケアシステム構築における「住み慣れた地域で、自分らしい暮らし」を踏まえ、厚生労働省では理学療法士を“生活を支えるリハビリテーションの専門家”として捉えています。これは理学療法において、在宅医療が中心的な役割となる可能性を示唆しています。もちろん、運動器・脳血管疾患等の様々な専門領域での理学療法のスキルアップも求められた上での“地域”なのでしょう。

理学療法の分野の“拡張と多様性”に、この同時改定の波を乗り越えるヒントがあると考え、今回の大会テーマとしました。基調講演をお願いしました脇元幸一先生は、プロフィールから理学療法士の多様性を考える上で最適な先生です。後半のシンポジウムに於きましては“理学療法に必要な多様性とは”とし、様々な分野で活躍する沖縄県士会会員の中より4つの領域(入院医療・在宅介護・スポーツ予防・行政予防)からシンポジストをお招きしました。個々の分野から理学療法を取り巻く社会情勢の波を乗り越えていく為に、参考となる情報・知見・考えなど意見を頂ければと思います。

最後に当大会を 新人の登竜門としての学会だけではなく、これまで学び研鑽してきた治療手技や研究等を様々なスタイルで報告し、地域にて共有していける学会にしていきたいと考えます。沖縄県理学療法士協会の発展が、沖縄県民への健康・長寿に寄与出来る職能団体として発展する為に必要不可欠な大会です。会員の皆様、皆で作り上げる事に是非御力を御貸し下さい。

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