第22回

特別企画の概要を掲載しました

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第22回沖縄県理学療法学術大会

OPTA教育学術局生涯学習支援部共同特別企画

「新生涯学習制度の在り方と登録理学療法士について」

公益社団法人日本理学療法士協会

会長 斉藤秀之

【はじめに】
昨今において、多くの方々から「理学療法士の質が低下していないか」「指導者が十分機能していないのではないか」という指摘を受けることが増えた。また、厚生労働省から、「職場教育が不十分ではないか」と日本理学療法士協会(以下、本会)役員に提案を受けていた。そこで、本会は現生涯学習制度の見直しを決定し、2022年度から新生涯学習制度を開始する運びとなった。今回本大会特別企画でご紹介させていただく機会を頂いたので報告する。

【新生涯学習制度の概要】
今日までの卒後1年間の新人教育プログラムは制度として終了し、卒後5年間を義務教育的な卒後研修の基盤として位置づけ、理学療法士全体の質の向上を図るとともに、5年毎の更新制度を明確化した。この卒後5年間のカリキュラムを修了した者に「登録理学療法士」の称号を与え、取得した「登録理学療法士」を5年毎に更新し、生涯に渡って学習する「登録理学療法士制度」の仕組みにより、社会に対して質の保証をすること、また、知識・技術の維持と更新を図ることを可能とした。さらに、この「登録理学療法士」の維持を基盤とし、より自分の専門分野を高めたい理学療法士への動機づけとなる「認定理学療法士制度」、「専門理学療法士制度」を2階建てで並列的に位置する仕組みが新生涯学習制度の概要である。

【登録理学療法士制度】
卒後入会後2年間を前期研修と位置づけ、到達目標を「必要に応じて指導を求め、基礎的理学療法を実践できること」とした。カリキュラムは、座学研修22コマ(33時間)と実地研修32コマ(48時間)の計54コマ(81時間)であり、組織教育と基礎的臨床力向上の内容で構成されている。この前期研修を修了後、3年間の後期研修へ移行する。後期研修は、「多様な領域で標準理学療法を臨床実践でき、学生や後輩を指導できること」を到達目標とし、座学51コマ(76.5時間)の受講と実地経験をカリキュラムとした。カリキュラムには多様性を持たせ、座学研修だけでなく、「領域別研修(事例)」として、症例検討会などへの発表や参加を組み込んだ。これを修了することで「登録理学療法士」の称号を得られる。
その更新であるが、日本医師会の生涯教育制度を模倣し、5年間で50ポイントの生涯学習と更新時研修により更新となる。生涯教育の指針となるカリキュラムコードを設定し、都道府県士会や所属施設での学習方針や方法に活かせる仕組みとした。このカリキュラムコードは日本理学療法士学会が指定規則改正に対応して作成した「理学療法教育モデルコア・カリキュラム」と連動する形とした。また、本会会員であればライフイベントや居住地域に影響を受けず、本会会員としての権利であるマイページや発行物などを活用した自己研鑽により十分更新が可能な内容に変更し、デジタル媒体を活用することで学習できる内容となる。

 

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